チックのための包括的行動的介入(Comprehensive Behavioral Intervention for Tics:CBIT)とは、ハビットリバーサルトレーニングを中心とした、チックに対して有効に対処するスキルを学ぶ認知行動療法/行動療法です。
当サイトを作成した私は、東京大学医学部附属病院でのCBITの治験にトゥレット症当事者として参加し、専門家より詳しくご指導いただきました。その後、海外で行われているチックの行動療法専門家向けトレーニングに参加し知識の向上に努めています。
欧米では、薬物療法と同様にチックに対しての有効性が支持されていますが、日本国内では普及が遅れているため、まだまだ一般的ではありません。
私は、チックでお困りの方の力に少しでもなれたらと、専門家よりご教示いただいたことを基に、国内外の文献より更に学び、これまで多くの方にチックへの認知行動療法/行動療法(ハビットリバーサル/CBIT、ERP、呼吸法)の個人セッションを行って参りました。
しかしながら、問い合わせが多く大変お待たせしているのが現状です。
そこで、これまでの私の知識や経験、実際のセッションで効果があった方法をまとめ、それらにトゥレット症当事者としての感覚を加え、親子で(自分で)出来るチックのセルフヘルププログラムを作成し、Web上に無料公開いたしました。
通常はセラピストと共にセッションが行われますが、ハビットリバーサル/CBITのやり方を記載した当会のブログを参考にセルフトレーニングを行い、親子でチックを改善できたという方も多くおられます。
ハビットリバーサル/CBITは誰にでも効果*があるというものではなく改善度合いも個々に異なりますが、当プログラムからチックについての理解を深め、チックの自己対処法を学び、お子様やご家族のQOLの向上に少しでも役立てていただけたら幸いに存じます。
*アメリカでの研究によると、9歳~17歳(平均年齢11.7歳)の当事者の52.5%、16~69歳(平均年齢31.6歳)の当事者の38.1%に効果があったと示されています(薬物療法を併用することにより、より良い効果が得られることがあります)。また、チックに対する十分確実な治療法はいまだ確立されておりません、症状とうまく付き合っていけるようになることも必要で重要な考え方です。